春こそ大切!「エイジングケア」
うるおいのある美しい肌やツヤツヤした豊かな髪は、見た目の印象を大きく左右しますよね。
肌や髪のトラブルを防ぐために、実は春は重要な季節。しっかりケアして、若々しさを保ちましょう!
【肌と髪にとって春は意外にストレスフル】
乾燥により肌や髪から潤いを奪う冬が終わり、穏やかな春が来たと安心していませんか?
実は春になると、紫外線が増え始め、花粉や黄砂、PM2.5が飛散するなど、
肌や髪にとってはストレスが高まるのです。
「日焼け対策は日差しが強くなってからで大丈夫」とのんびり構えていると、
あっという間に肌や髪のコンディションは悪化してしまいます。
以下のグラフのように、日最大UVインデックの値が3.0を超えるのは、昨年では意外にも早く2月から10月まででした。
ですから、「春先からの、早めのケアが大切」ということなんですね。
【紫外線でトラブルが起きるメカニズム】
肌や髪にとって、紫外線はどんな悪影響があるのでしょうか。
紫外線を浴びると、皮膚で活性酸素が大量に発生します。活性酸素は表皮細胞を攻撃し、シミの原因となるメラニン色素の生成を促します。
さらに細胞の代謝が衰えてメラニン色素が沈着し、シミになってしまいます。
悪影響はこれだけに留まりません。
肌に弾力を与えるコラーゲンの生成を阻害したり、角質層の保水機能を低下させ、
シワやたるみを生じさせるのです。
【身体の外と中から十分な紫外線対策を】
先ほどから、紫外線対策は、春先から行うのが効果的なんですといっていますが、
具体的にどのようにすれば良いのでしょうか。
「天気が悪い日や屋内にいる時でも日中は日焼け止めを塗り、外出する時は日傘や帽子、サングラス」などで紫外線を遮りましょう。
花粉や黄砂はそれ自体が肌への刺激になるうえに、かゆみから目や肌をこすってさらに刺激を与えてしまいます。
これらを避けるためにも、「睡眠をしっかりとって、肌や粘膜の抵抗力を高めておくことも大切」なんです。
【抜け毛、薄毛への対策も怠りなく】
紫外線は、髪のボリュームやハリ·コシを失わせる原因の1つにもなっています。
紫外線や寝不足などのストレスによって頭皮の血行が悪くなると、髪の毛を生み出す
毛母細胞に栄養が行き渡らなくなり、髪の毛が抜けやすくなってしまうのです。
一方、年齢とともに進行する薄毛の原因はヘアサイクルの乱れと考えられます。
通常であれば毛髪が太く成長してから抜け落ち、同じ毛穴からまた新しい毛髪が生えてきます。
ところが、男性ホルモンの一種であるテストステロンが酵素の働きによって
ジヒドロテストステロンに変化すると、毛髪の成長を抑制するために髪はハリや
コシを失い、抜けてしまうのです。
男性ホルモンは女性の体内にも存在するため、特に更年期以降の女性は、
女性ホルモンの減少に伴って男性ホルモンが優位になることによる抜け毛や
薄毛への対策が必要になります。
【ヘアサイクルを乱す原因】
ヘアサイクルを乱す原因には、複数考えられます。
第一に男性ホルモンの作用、次に血行不良、そして加齢です。
【ヘアサイクルのNGポイント】
① 男性ホルモンの作用
男性ホルモンのテストステロンそのものが、ヘアサイクルの乱れを引き起こすわけではありません。
テストステロンが体内の皮脂腺に多く存在するⅡ型5αリクターゼという還元酵素と結びつき、
ジヒドロテストステロンという物質に変化した物質が頭髪の毛母細胞に作用し、
ヘアサイクルの成長期を6ヶ月~1年に縮めてしまいます。
② 血行不良
運動不足などにより頭皮の血行が悪くなると、毛髪の成長に必要な栄養素が行き届かず、新しい髪が生えてこない原因になります。
③ 加齢
人間のヘアサイクルは、15~20回ほどを限度として繰り返されます。
もともと回数や各周期の期間には個人差がある上、年齢を重ねるとさらに変化することが考えられます。
日本人男性の場合には20代後半からAGAになるケースが多く、30代で20%、
40代で30%、50代以降で40%以上の方が発症すると報告されています。
このデータからも、加齢がヘアサイクルに何らかの影響を与えていると言えるでしょう。
【自分でできるヘアサイクルのケア】
健康な毛周期を維持するためには、ヘアサイクルの成長期を縮める原因と考えられる
要素を排除、抑制することが大切です。
なぜヘアサイクルの乱れてしまうのか、はっきりとした原因はまだわかっていませんが、
頭皮の血行を改善、アンチエイジングに努めることが大切なポイントです。
日常生活で次のことに気をつけると、ヘアサイクルの正常化につながります。
【ヘアサイクルケアポイント】
◎ ストレス解消
ストレスによって自律神経の「交感神経」の緊張状態が続くと、男性ホルモンが増加することがわかっています。男性ホルモンが増えるとヘアサイクルを乱すジヒドロテストステロンも増加します。
健康なヘアサイクルを維持するためには、日々のストレスを早めに解消するように努めましょう。
◎ 運動を習慣化する
血行を良くするために、定期的な運動をするといいでしょう。
ただし、ハードな筋トレなどの無酸素運動は男性ホルモンの分泌を促進するため、
ランニングやウォーキングなどの有酸素運動がおすすめです。
◎ 禁煙
たばこは体内に大量の活性酸素を生成し、体の老化を早めます。
また活性酸素は、ジヒドロテストステロンの生成を抑制する亜鉛を大量に消費します。
喫煙は、男性ホルモンの作用と老化の両面から悪影響があると言えます。
◎ バランスの取れた食事
ジヒドロテストステロンを増加させるⅡ型5αリクターゼは、栄養不足によって活性化します。
普段の食事で、亜鉛をはじめとするミネラル、ビタミン、たんぱく質などをバランスよく摂取するようにしましょう。